今、地域医療・福祉は大きな変革の節目を迎えています。医療技術の進歩に伴う高度先進医療や救命救急医療など高度にシステム化された医療の縦方向の深まり、一方で、医療の概念が新たな要素を次々に取り込みながら、保健・医療・福祉のボーダーレス化という横方向へ拡大してゆくことが想定されています。時代の大きな流れのなかで、私たち医療・福祉機関は、国民の生命・生活を守るセーフティネットとしての認識と信頼を着実に深めていく必要があります。
当法人は、1953年の渡辺病院開設以来『こころの医療』専門機関として地域医療に取組んでまいりました。急速な高齢化とともに地域に必要とされる医療のあり方が変化するなか、2000年にはウェルフェア北園渡辺病院を開院、続く2001年に障害者相談支援・地域生活支援センター『サマーハウス』、認知症対応型共同生活介護グループホーム『オータムハウス』を開設し、医療・福祉の連携を強化いたしました。現在では、組織図の通り、2つの病院(計677床)と、精神障害者グループホーム(3施設 定員21名)・認知症高齢者グループホーム(3施設 定員27名)に約600名のスタッフを配置し、地域の他の医療機関(病院、診療所)ならびに福祉施設、福祉サービス機関と連携しながら、社会的役割をより一層発展させていくべく取組みを続けています。
2008年4月、改正医療法に基づく新しい地域医療計画が策定されました。この中で、当法人は、精神科救急医療、慢性重度の病態をもつ患者の長期療養ならびに回復期リハビリテーションを担う医療機関として、地域における医療連携の要の位置に明記されております。さらに、同年10月、高い公益性を持つ『社会医療法人』として全国で第3番目に認定されました。自治体病院と同等の公益性ならびに地域社会への貢献が期待されることになりましたが、今後、さらに法人運営の効率性、透明性を高めてゆく方針です。このように、当法人の地域に果たすべき役割および責任は年々大きくなりつつありますが、いつの時代においても、地域住民の皆様の期待に応えるべく、意欲溢れるスタッフとともに新たな試みを続けてまいりたいと存じます。
今、私たちは、急速な高齢化が進展する一方、社会全体が複雑多様化し、ストレスがあふれる現代を生きています。そうしたなか、当法人が担っていく「心の医療」「高齢者の心身ケア・認知症の専門医療」「医療と福祉を統合した地域ケア」という3つの柱は、疾病の病態解明が急速に進展しつつあり、その治療法、ケアの技法が発展しつつあるという点でも、きわめて重要であり、今後もその責任は増してゆくものと思われます。スタッフ一人一人が、病院の扉をあけるすべての患者様に関心と責任をもって接するプロフェッショナルとして、疾病の予防ならびに早期に相談しやすい医療・福祉文化の醸成に努力を続けてゆくことで、法人として新たな時代のニーズにも迅速・的確に対応し、地域に一層貢献していけることを願っています。
平成21年5月1日
社会医療法人 明和会医療福祉センター 渡辺病院
理事長・院長 渡辺 憲







